コロナ禍を経て、ビジネスの場はオンラインへと大きくシフトした。対面で名刺を交換する機会が減ったいま、「名刺をどう届けるか」という問いに、新しい答えが求められている。リモートワーク時代の名刺交換を考える。
Web会議での自己紹介
ZoomやTeamsでの初回ミーティングでは、冒頭の自己紹介が名刺交換の代わりになる。このとき、バーチャル背景に会社名やロゴを表示したり、チャット欄に連絡先情報を送ったりする人もいる。画面共有で簡単なプロフィールスライドを見せるのも効果的だ。
ただし、対面の名刺交換が持っていた「一対一で向き合う」という親密さは、画面越しではどうしても薄まる。だからこそ、Web会議後にフォローアップのメールを送り、改めて自己紹介を添えることが大切になる。

デジタル名刺サービス
SansanやEightといった名刺管理アプリは、紙の名刺をデジタルデータに変換するだけでなく、オンラインでの名刺交換機能も備えている。QRコードをスキャンするだけで、相手のデバイスに自分のプロフィール情報が送られる仕組みだ。
LinkedInやWantedlyのプロフィールURLを「デジタル名刺」として活用するケースも増えている。メール署名にこれらのリンクを添えておけば、相手は必要なときにいつでもプロフィールにアクセスできる。
デジタル名刺の利点は「更新できること」。役職や連絡先が変わっても、常に最新の情報を届けられる。
メール署名の工夫
オンライン時代において、メール署名は実質的な「常時携帯の名刺」だ。氏名、会社名、部署、電話番号、メールアドレスに加え、WebサイトやSNSのリンクを記載しておくと、相手が情報を得やすい。
最近では、HTMLメール署名にミニバナーや顔写真を埋め込むサービスも登場している。テキストだけの署名に比べて視認性が高く、ブランドイメージの統一にも効果的だ。

紙の名刺は不要になるのか
デジタル化が進んでも、紙の名刺がなくなることはないだろう。対面での名刺交換には、画面越しでは得られない「手ざわり」と「儀式性」がある。名刺を差し出し、受け取るという身体的な所作が、人と人の関係を始める起点になる。オンラインとオフライン、デジタルと紙——それぞれの良さを理解し、場面に応じて使い分けることが、現代のビジネスパーソンに求められるリテラシーだ。