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2014
名刺博物館「サクラテラス」
皆さんは、東京・墨田区にあるサクラテラスという博物館をご存知でしょうか?1931年創業の老舗名刺台紙メーカー株式会社山櫻が運営している施設 です。規模は小さいですが名刺関連情報が非常に充実していて、名刺ファンなら何時間でも楽しめます。私の中では「名刺ヲタクの聖地」です(笑)。 サクラテラスには、名刺台紙の作り方といった定番情報に加えて、いろいろな珍しい名刺が展示されています。例えば、資料をもとに再現された「日本人が初めて受け取った名刺」や「日本人が初めて渡した名刺」。初めて受け取った名刺は、幕末の1954年、黒船2度目の来航時にアメリカ使節団から江戸幕府の代表が受け取ったものになります。また、初めて渡した名刺は、1860年日米修好通商条約交換のためにアメリカに派遣された江戸幕府の使節団が使用したものです。皇族の方が戦前に海外で使われた名刺も展示されています。少し横長の形状や字体がとても優美で、ついつい見入ってしまいます。
スタッフの方が素晴らしいことも、サクラテラスの魅力です。博物館では、昔名刺印刷に使われた活版印刷機や古い断裁機も展示されたり、また年末に古いデザインを復刻した年賀状を制作・販売されたりしています。そのため、スタッフの方は名刺台紙だけでなく印刷についてもとても詳しく、お話しをお伺いしていると時の経つのを忘れてしまいます。穏やかながら情熱を持ってお話しされる語り口から、熱い名刺愛・印刷愛を感じます。 この博物館の物販コーナーでは、さまざまな色や素材、デザインの名刺台紙が販売されています。中には、木製の台紙やレーザーカッターで薔薇の絵などが切り抜かれている台紙もあります。これらに文字や写真を印刷することもできますが、スタンプを押したり手で文字や絵を書き込んだりするのも良さそうです。個人で名刺を使う時には、こうしたグリーティングカード的な使い方も良いかも・・・と、台紙を見ているだけでも楽しい想像がどんどんふくらみます。スタッフの方は、名刺の使い方のアイデアをふくらませるお手伝いもしてくださいます。
サクラテラスは、名刺印刷やデザインに携わっている方はもちろん、面白い名刺のアイデアを探している方、お子様やお友達と一緒に手作りのコミュニケーションを楽しみたい方など、さまざまな方に楽しんでいただける博物館です。ぜひ、皆さんも一度足を運んでください。名刺って、本当に面白いですね。